個人という国

国境なんて存在しないというならば、まず個人同士の壁をどうにかしてください。
個人同士に存在する壁はベルリンの壁なんかよりも厚くどこまでも高くそびえているんです。
しかも、一向に壊れる気配がありません。
助けてください。
  
僕は僕という国のたったひとりの国民です。
周辺国とはもちろん、電話回線を通じて他国と外交をしたりします。
僕は僕という国のたったひとりの国民ですので、経済なども行います。
僕の中で法を決めることもあります。
ただし、国は僕だけではないので、国際法にしばられますし他国からの援助もあります。
国同士のいざこざなんてしょっちゅうです。
時に、国が滅んでしまうこともあります。
他国と同盟を組んでひとつの国をいじめたり
他国と協力して経済をうるおすなんてこともします。
僕の国はまだ経験しておりませんが
他国では円満な合併が行われたかと思うと、険悪な分裂がされることもあります。
ちなみに、僕はあの国が嫌いなんであの国に対しては鎖国政策をとっています。
  
僕らはひとりひとりが国です。
国境は僕らの中に存在します。
世界から戦争がなくならない根本的な理由はこれなのかもしれません。